元外資系部長の副業サバイバルガイド(実践中)

副業を組み合わせたら何とか生きていけそうなので部長だったけど会社は辞めた 〜副業を武器として活用するススメ

【今週のお題】主観的インターネット史

今週のお題インターネットと共に」は、自分が生き証人の世界なのでぜひチャレンジさせてください。

 

インターネット以前(スタンドアロン時代) 

もともと大学時代に父親とNEC PC-9801(当時「国民機」と呼ばれ、主流だった16ビットパソコン)を買い、本格的にパソコンデビューしました。

といっても、最初は「イース」とか「ソーサリアン」、「ウィザードリー」その他、徹夜してゲームとかで遊んでばかりでしたが。

当時はSSD(高速だが高価な半導体記憶装置)どころかハードディスクも高価で、まずは5インチのフロッピーディスクを何枚も買い込み、その頃はWindowsどころかフルカラーを扱えるシステムもなく、MS-DOS(当時普及していた文字ベースでコマンドを打ち込んで使うマイクロソフト社製のパソコン用基本ソフト)というシステムを動かしていました。

WindowsMS-DOSプロンプト(以下参照)は、その当時の名残りです。

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MS-DOS上でコマンドを打ち込んで、当時のワープロの定番「一太郎」やその頃使われはじめていた表計算ソフト「LOTUS 1-2-3」、さらに教本を見ながらBASIC言語やC言語マシン語でプログラミングを勉強したりしていました。

複数のコンピュータを連携させて使うという発想のない時代、1人1人で作業し、必要があれば2台のフロッピーディスクドライブで、ディスクAからディスクBにファイルコピーしたり、まだパソコンは、生産性を上げるツールであり、いろいろな可能性を秘めた面白い玩具ではありますが、コミュニケーションツールにはなっていませんでした。

UNIXデビュー(インターネットを少し使う)

ということで、PC-9801MS-DOSも使えるようになり、多少はプログラミングも分かるというのを売り言葉に、某IT系出版社に就職しました。

古いPC-9801となぜか外付けフロッピーディスクドライブを支給され、サラリーマン人生が始まりました。

PC-9801が使えるから楽勝かと思っていたら、何と会社ではUNIXアメリカ西海岸のコンピュータマニアに開発された強力なネットワーク機能を持った中型コンピュータ向け基本システムソフト)が主流で、全員UNIXアカウントを付与され、コミュニケーションは当時まだ珍しかった電子メールやチャット、文書もviやemacsというUNIX特有のエディタで作成し、メールに添付して送る、なんてことを90年代初頭からやっていました。

UNIXで動くコンピュータ同士を、当時の低速ネットワークでつないで動かしていたのが当時のインターネットの実態ですから、UNIXに触れることができたのはとてもエキサイティングなことでした。

とはいえ、(MS-DOS自体はUNIXを参考にして作られているのですが)複数ユーザーが使うネットワークOS(基本システム)で、コマンドも呪文のような略号ばかりで、最初の1〜2ヶ月はけっこう苦労しました。

そのうち慣れてくると楽しくなってきて、仕事そっちのけで電子メール、チャット、バナー(画面に文字を書き込む)、ネットニュース(今の掲示板の原型)、テキストだけのゲーム(ローグなど)で、UNIXの学習と称して同期の友人や年齢の近い先輩たちと遊びまくっていました。

といっても、リアルタイムでつながるのは社内だけで、外部は2時間に1回とか定期的に通信をチェックする仕組みで、メールが返ってくるには早くても数時間は掛かっていました。

当時はインターネットはなかったものの、パソコン通信が盛んで富士通系列のニフティサーブNIFTY)、NEC系のPC-VAN、その他個人や少人数の有志が運営する草の根BBSなどがあり、いちおうニフティにアカウントを作りつつ、深夜に2400bps(今考えると死ぬほど遅い)のモデムで草の根BBSにアクセスしたりしていました。

会社はインターネットで国内他社や大学、研究機関、海外と結ばれていましたが、当時は東大や慶応大の理工学部、いくつかの大手の先進的なIT企業のみが参加していました(確か東大から太平洋経由で米国につながっていたと記憶しています)。

まだ文字ベースの原始的なUNIXシステムでしたが、アメリカ西海岸の天才やマニアが作った面白いツールがあちこちにあり、コンピュータ好きの玩具としては申し分ありませんでした。

結果的には、現在、MacOSiPhone/iPadアメリカ西海岸生まれのBSDUNIX、そしてAndroidUNIXをモデルに作られたLinuxなので、我々はUNIXの世話になる毎日なのですが。

まだ個人で常時接続の回線を持つ人は少なかったですが、個人はパソコン通信でメールアカウントを持っており、たとえばニフティサーブであれば、ニフティの会員コードの後ろに "@niftyserve.or.jp" (だったか・・・)と付けるとインターネット経由でメールの送受信ができました。

著者さんやデザイナーさんとやり取りするときなどは、そんな感じで企画書を送ったり、原稿を送ってもらったりしていました。

インターネットの普及に火を点けたのは

ということで、細い回線ながら、すでに90年代前半からインターネットを使っていました。

また当時の最新情報も仕事の一環として(ネットで遊んでいただけかもしれません、汗)、追いかけていましたが、インターネットが世の中に出てくるきっかけになったのは、以下の3つの製品・サービスの登場だったと思っています。

Webブラウザ

最初に驚いたのは、今では当たり前のように使われているインターネットブラウザの登場です。

最初に先進的な先輩のパソコンにインストールされている「モザイク(Mosaic)」を見たときは、正直、感動しました。

当時すでにWebサイト(ホームページ)がいくつか作られていて、Yahooのトップページとか朝日新聞asahi.com)などを見てみました。ニュースが写真付きで配信され、パソコンから見ることができて、感動しました。

その後、もっと高性能なネットスケープ、さらにWindowsパソコンに無償で(無理やりでもありましたが)インストールされているインターネットエクスプローラの登場で、ネットで情報検索するのがどんどん当たり前になってきました。

スマホの普及で、もう大半の人が多かれ少なかれネットを使っていますが、Webブラウザで情報を見るというのは、ずっと変わっていないのです。

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Microsoft Windows 95

インターネットの爆発的な普及をもっとも強力に後押ししたもの、それはWindows 95の登場だと思います。

何といっても、プラグ&プレイでパソコンにネットワークカードを追加してネットワークにつなげば、簡単な設定ですぐにインターネットが利用できるのが画期的でした。

最初からインターネットエクスプローラも入っていて、手軽に Webサイトを閲覧(最近はあまり聞きませんが、いわゆる「ネットサーフィン」です)できるのも、素晴らしいものでした。

逆に、Windows 95の登場で割りを食ったのは、それまで日本国内でガラパゴス的に圧倒的なシェアを誇っていたPC-98シリーズでしょう。

結局、Windows 95が動けばハードウェアは何でもいいので、安価なIBM PC互換機(今のPCの最初のバージョン)がどんどん普及してきて、相対的に高価なNEC製品はだんだんシェアを下げてきました。

とはいっても、工場の工作機械の制御用とか、当時作られたプログラムを現在も使い続けている現場もまだぽちぽちとあったりするのですが。

ISP(インターネットサービスプロバイダ)

そしてインターネット普及の決定打になったこと、それは家庭で常時接続のネット回線が引けるインターネットサービスプロバイダの登場です。

最初のISDNは遅くてやや導入をためらうものでしたが、ADSLが出てくると数M程度の速度が出るようになってきました。

月に3千円とか5千円でネットが定額使い放題になり、さらにビジネス、通信(メールやチャット)、エンターテインメント、情報収集や学習、さらにネットショッピングなど、少しずつネットが生活の一部になってきた時期です。

それなりにさくさくホームページも表示されるようになり、またFlashJavaのような動く面白い技術(エンターテインメント性の高いオモチャでもあります)も登場してきて、さらに画質はまだ低いながらも動画も見られるようになり、インターネットの面白さがどんどん広がってきた時期でもありました。

 

インターネットは非物質次元の生活をサポートするインフラ

今はもうネットは電話や郵便も超えて、通信からコミュニティ活動、知識の共有、ビジネスから趣味、果ては犯罪まで全てを支え、世界中をつなぐインフラです。

人間には、生物としての生存に必要な物理的・物質的な次元と、思考や感情、イメージなど情報や記号の非物質次元の2つがありますが、電子的に記号化(デジタル化)できる情報の次元(情報空間)については、その大半がインターネットの中でやり取りされています。

もちろんいいことばかりでなく、国境を超えたサイバー犯罪やスパイ活動、匿名性に隠れた誹謗中傷、フェイクニュースのような偽情報など、人間の美しい面も醜い面もどちらも入ったカオスの世界という側面もまだまだ残っています。

便利な反面、人間の心の奥底にあるヘドロや毒、悪意を吐き出しやすい場でもあります。

そしてネット技術の発展と並行して、サイバー犯罪や暗黒面の技術も日々進化しています。

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それでも、世界中の善意の誰かによって一歩ずつ改善が進められ、世界中でなくてはならない巨大な情報空間として、これから発展を遂げ、利便性やエンターテインメント性を私たちに提供してくれるものと確信します。

そして利用者としてもっと活用させていただくのと同時に、小規模事業者、情報発信者としてささやかながら、何か問題解決をしたい、情報を得てよりよいライフスタイルを実現したいという顔も見えない誰かのために、自分の持てる知識や経験をシェアしていきたいとも思います。