元外資系部長の副業サバイバルガイド(実践中)

副業を組み合わせたら何とか生きていけそうなので部長だったけど会社は辞めた 〜副業を武器として活用するススメ

【転職】成功するベンチャーはカジュアル面談で人柄を見る

こんにちは。Tommy(トミー)です。

先日、某ベンチャー企業で本部長をしている友人と食事をする機会がありました。

これからはネット企業でも金銭をポイント化してコミュニティ内の通貨のように扱ったり、ポイント代わりに仮想通貨を使ったり、果ては決済機能を持ったりなど、フィンテック(ITを活かした金融技術)にシフトしてきています。

それに連れて、フィンテックの開発経験のあるITエンジニアだけでなく、リスク管理コンプライアンス、監査などのいわゆる金融専門職に対する需要が高まっているようです。

 

能力と人柄を見る

面接で一番難しいことは、その会社の組織風土に馴染んで他の人間とチームワークを発揮してくれるかを見極めることです。

学歴は申し分なし、職歴もその分野のトップ企業でマネージャーとして一線でやってきていたとしても、性格的にクセがあって他の人間をすぐに批判したり、会社のやり方が前と違うと騒いだり、また他部門と調整が必要なところ自己主張ばかりして上手くやれないなど、技能の問題でなくコミュニケーションの問題で上手く能力を発揮できない、なんてこともあります。

この会社に合わない、といってせっかく採用しても短期間で辞めてしまったり、見切りをつけるならまだしも、開き直って自分は最低限の仕事しかしない、と決心して居座られてしまったりすると、組織としての仕事の能率が落ちてしまい、会社も不幸ですが、周囲に白い目で見られて役立たずと思われ、それでも給与のためだけに居座り、結果的に何のスキルや経験も身に付かず、実は本人も不幸だったりします。

会社の業績が悪くなってリストラする時には真っ先にターゲットになりますし、仮に退職する羽目になってどこかに転職しようとすると、同じ業界であれば意外につながりがあって悪評は知れてしまうので、なかなか次が決まりにくくなります。

何はともあれ、その仕事に対する十分な技能や経験があるか、その会社に合っているか、周囲の人間と良好なコミュニケーションが取れるかを見極めるのは難しいテーマです。

カジュアル面談でみんなで会ってみる

このようなリスクを避けるため、多くのベンチャーではカジュアル面談という仕組みを活用しているようです。

これは、誰か有望(そう)な候補者が来たら、その部門のマネージャーはもちろん、同僚となるかもしれない他のスタッフ、さらにステークホルダーとなる関連部門のマネージャーまで会うケースがあります。

いろいろな人と会って、その時に候補者の話を聴くだけでなく、自分たちの仕事内容や思い、さらにその人たちの経歴なども話してくれます。

もちろん最終的に決めるのはその部門の部門長(担当役員や部長)です。

それでも、候補者が自分たちと良好にやっていけるかを一緒に働く人たちの複数の目線で多角的に見ていくということで、できるだけ客観的に見極め、その意見や印象を採用の決定に活かして成功率を上げることはできるでしょう。

もちろん、サイコパスのように天才的に人当たりがよく人たらしな人はいますから、入れてからこんなはずじゃなかった、ということはありますが。。。

また候補者に対しても、こういう人たちと一緒に働くんですよ、という情報を知る機会を持ってもらい、本人にも周囲の人たちと上手くやっていけるかを見極めてもらえます。

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これなら気持ちよく働けそう、と思うか、逆にあー、この人たちとは無理、みたいな情報があれば、入ってからのミスマッチのリスクを(お互い)減らしていけるわけです。

成功する企業の条件

組織が上手く回らず生産性が落ちるとか、ストレスで病気になったり退職したりなど、会社組織における最大の課題は、人間関係をどう良好に保つかです。

管理人の好きな本で成功する企業の条件を経営学的に分析した「ビジョナリー・カンパニー」という名著シリーズがあり、その2では地味なのに好業績を保ったまま永続している企業について分析しています。

その中には、成功のために必要なことは「何をやる」でなく、「誰とやるか」という書かれていました。

大きな会社ではMBAホルダーなど高学歴の人間を採用し、人間関係が多少悪くても仕組みができているので利益は出せますし、会社は回っていきます。嫌なら辞めてもらっても、ネームバリューと高給で代わりになる人はひっきりなしにやって来ます。

ところが小さな会社ではそれほどの余裕はないので、高い人間力を持った人たちが情熱を持って仲間たちと力を合わせて、チームワークで互いに切磋琢磨したりカバーしたりしながら業務を回していくことが必要になります。

お互いがライバルである前に仲間であり、何か問題が発生したら、組織や担当の枠に囚われず、それを解決できる技能や経験を持った人間を中心に解決に当たること。

また、多少の技能のバラツキがあってもそれぞれが得意なところを活かして、一品持ち寄りパーティのようにチームワークでカバーする。

そのことで、会社全体の生産性をじわじわと上げていくわけです。

実は大企業のある業務の担当者であっても、ローテーションで回ってきた非専門家であったり(ある程度はこなせるでしょうが、長い経験を持つ専門家のようには働けません)、また経験者であっても微妙に得意不得意分野があるので、思ったほどできるわけではありません。

とはいえ組織がかっちり決まっている大きな会社では、他の担当者がカバーしてくれるわけではないので、委託先にシワ寄せが行くかコンサルタントに依頼するか。いずれにせよコストも時間も掛かり、生産性はよくありません。

逆にベンチャーでは職人的な技能を持った集団が、部署の枠を超えてチームワークを発揮し、それぞれの得意技を活かして柔軟に動くことで、機動力を活かして問題解決に当たっていくことが可能になります。

最大のストレス源を減らす

組織の最大のストレスは、人間関係です。

そしてよくない人間関係は、メンバーのモチベーションを下げ、組織へのコミットメント(いろいろな訳がありますが、管理人の感覚だと「積極的な関与」、「身を入れる」という感じがします)を薄くし、生産性を下げ、結果的に企業の勢いを削いでしまいます。

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物量作戦や資金で勝負できないベンチャー企業が勝負できるところは、魅力的な職場環境を作り、十分なコミュニケーションが取れない人を参加させないようにして、良好な人間関係を最大限維持して、少数精鋭のメンバーが気持ちよく最大限のパフォーマンスを上げられるようにする、ということです。

そのためのツールとして、「カジュアル面接」、「チーム全員面談」というのは、非常に良いやり方だといえます。