元外資系部長の副業サバイバルガイド(実践中)

副業を組み合わせたら何とか生きていけそうなので部長だったけど会社は辞めた 〜副業を武器として活用するススメ

正社員で就職したい20代の非正規の方に伝えたい3+1のポイント

こんにちは。Tommy@副業生活者です。

先日、副業の取材の中で、20代のフリーターや非正規の方に正社員の仕事を紹介しているというJAIC(ジェイック )という会社の就業コンサルタントの方と話す機会がありました。

おもに20代の方のキャリアを考える上でなかなかエキサイティングな議論だったので、ご報告します。(元雑誌記者の上、マーケティング調査もしていたので、インタビュー仕事はわりと得意です、と自分のCM)。

 

なぜ一度は正社員になっておくべきか

公務員の試験や一部の会社の入社時試験などありますが、大部分の会社では、担当者、部門長、役員(規模によっては社長)との数回の面談でその人の経歴や人となり、適性などを見極め、正社員としてメンバーに迎えることになります。

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採用する側からすると、この選考過程はけっこうバクチです。

というのは、やはり何度か会って話をするだけで、その人の人柄や適性、能力を見極めるのは経験を積んだ人事の担当者であっても、けっこう難しいからです。

実際、管理人もマネージャー時代、弁も立つし熱意が見えるし優秀だ、と採用した人が実は理屈ばかり捏ねて自分で動かないタイプと後で分かり、マネジメントに苦慮した経験があります。(これは単に私の眼力がひどいということですが)。

そこで最初に判断の目安になるのが、学歴、正社員としての職歴、そして余力があれば何かの資格です。

ある程度のランクの学校を出ているということは、それなりに難しい勉強をこなすレベルの思考力、理解力、記憶力があるということ、また数年程度の正社員としての職歴があるということは、何かの技能が多少はあって、会社組織で一定期間生きていけるコミュニケーション力があることを示すサインまたはシグナルになります。

また資格自体も、ある分野の技能や知識があること、そしてその試験勉強をこなせる程度の勉強への意欲や耐性があることを示すシグナルになります。

つまり、これらの条件は大学入試でいうところの一次試験であり、このうちの2つ以上の条件を満たすと、一次試験(書類選考)をクリアして、二次試験(面談)に進める可能性が高くなるわけです。

一般論ですが、高卒より大卒、非正規職員より正社員の方が生涯年収にすると、多くの収入を得ることができます。やっている仕事は大差なかったり、仕事力や責任感、意欲は実は非正規の人の方が高い場合も多々あるのにでも、です。

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どうせ同じような仕事をするならば、多くもらった方がいいのは自明ですし、意欲や能力があってリーダーシップがあるなら、マネージャーや役員となって活躍した方がその会社や、ひいてはその業界のためにもなると思います。

ということで、キャリアを考える上で、どうせなら正社員になろうという判断は妥当です。

当分は売り手市場なのでチャンスは今

今、非正規で働いている人で、正社員になりたいという人にとっては、現在はチャンスです。

高齢化で労働人口が減る一方で、多くの業界が人手不足で悩んでいるからです。

実際は、IT化や自動化、また事業自体のリストラクチャリング(取捨選択)で生産性の低い事業から撤退し、効率化や生産性の改善を進めれば、もう少し何とかなるでしょう。

ところが日本では撤退、つまり損切りが上手い人は少ない上、多くの企業で楽すること=悪という潜在意識を持った方が多く、本来省力化できるところで、体育会のノリで力技でやってしまうケースが多いです。

ということに誰かが気付いて(本当の意味での)リストラクチャリングに成功すると、それをフォローしてリストラを上手くやって、生産性や収益性を上げる企業が増えてくると思います。

そうなると、今ほどさまざまなエリアで人手が足りない、という状況は少し解消されてくるのではないかと考えられます。

それまでの数年くらいの間、まさに今は、正社員として職を得るにはいいタイミングです

数年以上の正社員としての経験を1度でも積んでおけば、今後のキャリアでも非正規の経験した積んでいない場合と比べ、大きくキャリア開発の可能性やより多くの賃金を得る可能性が高くなってきます。

その意味で、若手の方には、今この選びやすいタイミングで、(ご自身のキャリアをより磨き上げるためにも)正社員の仕事を目指してもらいたいと思います。

 

正社員として採用されるために

ということで人手不足の中、多くの企業が人を採用しようとしていますが、まずは正社員歴があり、高学歴である人から声が掛かってくるはずです。

良さそうな人がいたら現在、非正規で働いている方からも採用する可能性はありますが、そこにはおもに3つのクリアすべき壁があります。

逆に、もし面接でそれらの壁に対して、何らかの有効な対応ができることを示せれば、非正規の方にも十分チャンスはあることになります。

以下にそれらの3つの壁(懸念要素)と、その解消方法を見ていきます。

 

1. 会社員としてのマナーや一般教養の欠如

日本の中堅以上の企業では、新卒で新入社員を一括採用すると、まずは数週間、長いところだと何ヶ月も時間とコストを掛けて、新入社員教育研修を実施します。

ここで挨拶、心構え、電話の取り方、名刺の渡し方、上司への連絡や報告のやり方、さらにビジネスマナーから情報セキュリティやコンプライアンス、そして配属先別にそれぞれの分野での研修など、みっちりと社会人としての基礎を叩き込まれます。

正社員の経験がないということで、これらのリテラシー(一般教養)ができていないのではないかという懸念を持たれます。

これについては、たとえば非正規ではあっても正社員と同じ環境で同じ仕事の進め方で働いていた、またアルバイトを統率していたなど、自分が会社で生きていく上でのマナーやルールをよく理解できる状況にあったことを示すことができればいいです。

今回取材した就業支援コンサルティング会社さん は、無料のビジネス研修を実施しており、求職者の方は現場での経験も積んだ上で改めて●日間のビジネス基礎研修を受けたことで、会社組織で働くことに支障がないとアピールできるかと思います。

 2. 業務経験のないこと

通常、中途採用で人を採るということは、何か必要な職務や業務があり、それをすぐにこなしてくれる即戦力採用、つまり知識や技能を持つ経験者の採用が基本となります。

その技能は、正社員として一定期間、ある種の業務に従事したということで間接的に証明されるので、正社員としての就業経験のない方には、けっこうハードルが高い状況です。

一方で、スタッフレベルの補助的な、あるいは比較的定型の仕事であれば、多少手間を掛けても育成して行き、長く働いてもらい、優秀な人であれば将来の幹部候補担ってもらいたいという考えがあるはずです。

よく求人の条件で「35歳くらいまで」とか年齢制限があるのは、このような理由があります。

その場合は経験者採用でなく、ポテンシャル(潜在能力)採用で、未経験でも熱意があって、気の利きそうな若手を採用することになります。

鉄は熱いうちに打て、ではないですが、若くて意欲があり、これからいろいろ吸収して成長していきます、という熱意を見せることで、その時間的な価値や可能性を理由に採用されるケースがあり、非正規から正社員の仕事を得るにはこの路線がおもなターゲットになります。

経験はないが、担当者の方に(うちで鍛えれば、それなりにちゃんと育つんじゃないか)という印象を持ってもらえるかが勝負のカギになります。

3. 適性の判断が難しいこと

残念ながら、やはり職種に対する向き・不向きというのはあります。

面談ではいい調子だったが、いざ仕事をやらせてみたらさっぱり上手くできず、本人も(こんなはずじゃなかった!)と困っている、なんてこともしばし起こります。

求職者の方にとっても、正社員なら何でもいいというわけでないはず。

できれば自分の適性に合った仕事で、しっかり働いてスキルアップやキャリアップを果たしたいはずです。

その意味でも就業支援コンサルティング企業で面談を通じて自分の希望やこれまでの仕事の経験を伝え、その上でコンサルタントから適性を見てもらったり、こういう仕事には興味はないか、と適性を見ながら仕事を紹介してもらうのが、もっとも有効な方法です。

さらに今回の就業支援コンサルティング会社さん は、オリジナルの自己分析ツールを持っていて、ツールを使って自分の性格や適性を診断して職種選びや企業へのアピールの方法を考える際に、活用しているそうです。

これまで長年改良を重ねてきていて、かなり分析や診断の精度はチューンナップされているのでしょう。

特にどういう業種や職種がいいのか判断が付かない場合はもちろん役立つと思いますが、すでに自分で(自分はこういう仕事をしたい!)という方向性を定めている方でも、自分の意外な一面が見えて、より自分の適性や希望に沿った職選びができるかもしれません。 

ブラック企業への不安

企業側の懸念について説明しましたが、働く側の立場としても、早朝から深夜まで激務を強いられるブラック企業ではないか、という不安はあるかと思います。

そちらについて今回の就業コンサルティング会社さん に1つのリスクとして考え方を訊いて見ました。

土台となる考え方としては、まず労働環境のよくない会社に人材を紹介して、トラブルになったりすぐに退職した場合、紹介先の企業からの信頼も落とすし、求職者の中でも、ひどい会社を紹介するコンサルティング会社だと悪評が立ち、今後の業務を継続する上で大きなリスクになるので、紹介先の企業の実情は十分に確認しているそうです。

たとえば無理なノルマや無理な労働の発生しやすい職種(例:投資用不動産や先物取引の営業とか)は、最初から取り扱っていないなどで、求職者を保護しているとのこと。

なるほどコンサルティング企業にとっても不利益になる理由があるので、ブラック企業への紹介を防ごうという大きなインセンティブ(動機)があるわけです。

より良いキャリア開発のためのまとめ

まず自分のキャリアや人生をいい方向に持っていきたいという意欲があるなら、転職を考えてどういう道があるのか調べてみること、また(今回管理人が取材したような)就業支援コンサルタントに直接会って、アドバイスやサポートを受けるのが一番効率がいいし、結果的に最善の結果が得られると思います。

1人で考え、悩んでも、転職のお作法や上手な進め方は分かりません。通常、就業支援や転職支援の会社は料金は掛からないので(成功報酬として、人材を採用できた時に、求人元企業から紹介料が支払われる)、いずれかに無料登録して、そこでどういう方向に進むのがいいのか、また実際に面談などをアレンジしてもらい、そこでいろいろな人に会いながら、自分の道を探していくのが成功の秘訣です。

※ちなみに今回お話を伺ったJAICさんは、20代に特化したサービスのみの提供だとのことで、30代や40代のキャリアについては、別途考察できればと思います。