元外資系部長の副業サバイバルガイド(実践中)

副業を組み合わせたら何とか生きていけそうなので部長だったけど会社は辞めた 〜副業を武器として活用するススメ

東北の農家に学ぶ副業/複業の稼ぎ方

こんにちは。Tommyです。

会社はもう辞めたので、副業専門家(副業生活者)しています。

義理の両親が東北の寒村で農業をしており、何度か配偶者抜きで長逗留させてもらいましたが(東京から500km近い距離でかなり遠いですが、ほとんど別荘感覚です)、副業の先生として、いろいろなヒントを得ています。

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大きく分けて、以下の3つのヒントが副業を考える上で役立っています。

  • 小仕事の組み合わせで生活費を得る
  • あるリソースは無駄なく駆使する
  • お金は循環するものと知る

それぞれ見ていきます。

 

あるリソースは無駄なく駆使する

田舎の農家の凄いところは、土地、母屋、納屋、物置、農機具、工具類、なぜか建設機械、さらに田畑、山林など、豊富にリソースがあることです。

これらを駆使し、米を作り、野菜を作って道の駅や直売所で売り、たまに工芸品を作り、裏山の山菜やタラの芽を取り、お声が掛かればスポットで道路工事や水道管の工事などの仕事をして(水道工事は義父の技能ですが、田舎はさすがに建設系の経験者が多いです)、余力があれば他の大規模農家の作業にもアルバイトで参加して、ついでに帰省している子や孫に野菜の収穫と袋詰め、直売所でのラベル貼りまでやらせ、さらに義母は婦人会で妙な地元の踊りの練習しているという感じで、つねにリソースを無駄なく使い切ることに頭を使っています。

逆に道具の手入れ、山林のメンテナンスなどはそれなりに手間も時間も掛かるので、リソースが多い=楽に収益化できるということでは全然ないのですが、個人が自分を企業として捉え、収益化を考える場合には大いにヒントになるアプローチだと思います。

小仕事の組み合わせで生活費を得る

義父母の場合は、米を農協に卸したり、親類縁者や口コミで買ってくれる人に直売したりしており、これがメインの収入源になっています。

義父が「今年は不作だあ、出来が悪りぃちゃ」と嘆く年でも、スーパーで普通に売られている米とは比較にならないほど弾力があってモチモチしていて旨味がある米なので、何とか多くの人に食べてもらいたいなあと思う反面、義父も高齢だし、もう量も作れないので、ちょっと残念。

とはいえ、小規模農家の稲作はコストも掛かり、おそらく100万円使って、よくて150万円くらいの収益、不作だと赤字みたいな綱渡りな世界なので、これだけでは冬の高い暖房費も含めて生活コストは賄えません。

とっくに減価償却した家屋があり、米や野菜が取れるので、飢え死にする恐れはないのが農家の強みではありますが。

ということで、老夫婦2人でコストが掛からないということはあるものの、月割りで3〜5万円程度の米の売り上げ、月に同じくらいの野菜直売所の売り上げ、他、5千円から1万円程度の小仕事を月に10本程度こなし、12〜15万円程度の収入を得ているのだと思います。

田舎で暮らしているという方も、同様に小仕事を組み合わせて月々の生活費を得る収益モデルを説明していました。

お金は循環するものと知る

土地があるので米や野菜は取れるし、それらの栽培の仕方も子供の頃からやってきてしっかりマスターしているし、過疎地とはいえ共同体があって複数の人が住んでいる以上は小仕事して駄賃やら日当をもらうという案件は、それなりにあります。

また義父母自体も、自分たちの手が回らない時は、近所の人に3千円とか払って半日手伝ってもらって、という感じで仕事を出したり、出されたりしています。

もしかしたら落語の「花見酒」(注)のように、狭いエリアで小金を循環させているだけかもしれませんが、ある種の循環ができていて、贅沢はできないし不便ではあるけれども何とか生きてはいけるわけです。

注)2人のアホな男が、花見客に酒を売るビジネスを思い付き、酒屋から酒樽と釣り銭用の小銭を借りて桜の名所に向かうものの、どうしても酒が我慢できず、「金ならある!」と借りた釣り銭用の小銭を互いにやり取りしながら全部飲んでしまうという、愉快な、それでいて経済の本質を突いた名作古典落語で、管理人のお気に入りです。

月々安定した給料のもらえるサラリーマンの方が経済的には安定しているように見えますが、大きなエンジン1つだけの飛行なので、そのエンジンが壊れるとたちまち墜落です。

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補助エンジンがいくつもあり、またエンジンも人間だけでは壊れるので、仕組みやお金が働いてくれるエンジンも用意することで、さらに安定飛行ができるのではないかと思います。

 

ニッポン人っぽい課題も

ただ、わりと形ができてしまっていて、効率がよくないプロセスでも改善の手間より目先の作業を従来のやり方でやってしまう、というのはよく見られます。

特に岡目八目で、「お義父さん、ここまでトラック入れて運んだ方が、移動が短くて楽じゃないですか?」なんて言っても、「いや、ここの方がクルマが停めやすくて楽なんだ見た目、どこが違うか分からない義父だけの宇宙)」とか言って、相変わらず5mで済みそうなところ、25mくらい手で運んでいます。

多くの会社でも業務効率化や改善のために手間を掛けるなら、今までどおりでいいや、と力技でやるケースはよく見られます。

スマートに15分でやるより、汗かいて1時間でやる方が偉い、楽をしてはいかん的な、苦労至上主義のようなところを合理的に捉え直さない限り、日本全体の一人当たりの生産性や賃金は国際的に見て、相対的に緩やかな下がっていくのだろうなあとは思います。

ちなみに日本人の労働生産性は、OECD参加国35国のうち、20位前後と国際的に見て非常に低いものです。(出典:日本生産性本部

www.jpc-net.jp

 

AIを使った業務改善の提案やコンサルティングビジネスの準備をしていますが、まずは「効率化を図り、空いた時間で人間はもっとクリエイティブな仕事をする」仕組み作り、さらに「もっと効率化を図って自動化し、空いた時間で人間は好きなことを追求する生活をする」のが自分の今世のゴールかと思っています。

 

 

あまり効率化すると、輪廻の輪から解脱(脱落?)してしまうかもしれませんが。