なぜ今、サラリーマンの副業が話題になるのか? 〜自分の身は自分で守れと言われている
こんにちは。Tommyです。
ということで、会社は辞めました。
父親たちの世代を見ていると、会社に人生を丸投げしていたように思います。
生存や福利厚生、キャリア開発、会社によっては配偶者探しまで面倒見てもらう代わりに、全国や海外への転勤も辞さず滅私奉公する。
何だか鎌倉時代の幕府と御家人の「御恩」と「奉公」の関係を思い出します。
そうやって育ててもらったと思うと、親孝行らしきことが十分できなかったのは悔やまれますが。
お客様(=お金をくれる存在)は神様なので、直接的にお金をくれる会社も神様になったわけです。
戦前の日本が国体に全てを捧げろ、と洗脳教育してきた勢いで、身を捧げるクセがついたところで、「国体」が「会社」に置き換わったというところです。
当然、神様以外を見るのは許さない、ということで、特に大きな会社では「副業禁止」の会社が当たり前でした。
でもここ最近、国も多くの会社も「副業」を奨励するようになってきました。
自分のリスク管理を考える
副業を奨励することの意味は1つしかありません。
それは「自分の食い扶持は自分で確保してね」というメッセージです。
ご承知のように幸い株高で今のところは年金運用でも運用益が出ていますが、人口がどんどん減少しているのに、下の世代が上の世代の年金を負担する今の年金システムはほとんど崩壊しています。
シルバー民主主義と言われますが、年金システムを改革しようとしても、人口の多い高齢者層がそういう政治家には投票しないため、制度の改革もほぼほぼ実現不可能です。
前の東京オリンピックより前の超楽観的な状況で作られた仕組みで、もうボロボロで持続不可能なのはみんな分かっているんですけどね。
しばらくは保つでしょうが、たとえば世界同時株安とか日本の赤字財政で日本国債の買い手が付かなくなったりすると、「ごめんなさい、もう年金は払えません」という日が来るように思います。
HCP (Household Continuity Plan) を強化しよう
また自分個人のBCP(Business Continuity Plan=事業継続計画のことですが、家計の継続なんで、BusinessでなくHouseholdなので、HCPというべきかも)というかリスク管理の観点で見ても、収入源がお父さんの会社からの給与1本というのはキケンです。
ロケットでいうと、旧式のメインエンジン1台で飛行していて、それが壊れてしまうと(=あ、うちもだ)制御できなくなり、宇宙の藻屑となってしまうというリスクです。
お母さんの給与もあれば強いし、他に副業や不労所得で数万円ずつでも入ってくるルートがあれば、メインエンジンがやられても第2エンジンや補助エンジンが作動し、とりあえず飛行(=生活)は継続できるわけです。
国や会社のスタンスとしては、「メインエンジンはもう老朽化も進んでいていつ壊れるか分からないので、第2エンジンのチューンナップ(1億総活躍社会)や補助エンジンの追加搭載(副業の推進)を進めてください」ということです。
急に自分のアタマで考えるよう言われる
これまでは、自分で考えずにいかにすばやく正確に指示を守るかと目標で教育されていましたが、急に「自分であれこれ考えて何とかしてね」というスタンスに変わってきました。
まあ昔から「正確に」、「指示通り」ができない人間が一定数いて、世の中を変えたり、面白いことをしたり、世の中や周囲とうまく行かなくて暴れたり、隠遁したりしていたわけですが。
何をどこからどうすればいいのか、困ってしまう事態ですが、長年副業を転がしてきた副業専門家(今は単なる副業生活者か)としては、以下の3つのアクションを提案したいと思います。
- 自分の趣味や特技、得意技を棚卸する
- できることをやってみる
- 投資を始める
それぞれ解説してみたいと思います。
自分の趣味や特技、得意技を棚卸する
正業については、何となく新卒で唯一内定もらったところだから、とか内定もらった中で一番給与がいいから、とか、わりと自分の好みよりは給与、待遇、会社の知名度、そして成り行きで決まってしまったケースが多いと思います。
さらに職種についても、本当は人とコミュニケーションは好きなのに内勤で経理になってしまった、とかやりたくないけど辞令ひとつで人生の方向性が決まってしまった、なんて方は多いと思います。
それでもその分野が好きになって情熱を持って取り組んでいて、いちおうその分野の一人者になっているという状況であれば、いうことありませんが。
そうでなく、スキルは平均的、それほど好きではないが義務として責任感を持ってやっているという程度であれば、同じ仕事を60歳で定年した後もやるより、人生の残り時間くらい、もっと自分の好きなこと、やりたいことに時間を使い、情熱を傾ける方が幸福ではないでしょうか。
副業を始める前に、自分の好きなこと、得意なこと、やっていて楽しいことは何かをあらためて思い出し、そのエリアで何かできるか、直接的にやるのが無理でも、その周辺に何か小仕事がないか見ていくといいでしょう。
できることをやってみる
考えるだけでは、何も状況は変わりません。
ということで、もし何かあれば目に入る小仕事があれば、週末の数時間くらいをくれてやるつもりで、アクションを起こすといいと思います。
たとえば近隣の老夫婦が困っていてお手伝いをしてほしいということであれば、ちょこっと行って手伝ってあげるとか。
また書くのが好きとか、何か趣味である分野に詳しいなどあれば、ブログを開設して自分の知識をシェアするとか。
アルバイトとかするならすぐお金になりますが、(少し回り道ですが)誰かの役に立つことを始めて喜んでもらい、その次のステップとしてお金が発生するという流れがあることも忘れないでくださいね。
もう1つ、管理人の場合、IT出版系の業界にいたので、昔のネットワークからテクニカルライティングの依頼が来ることがあります。
自分はこういうことがやりたい、こういうことが得意だ、近所でこういうことをしたと自分の人的ネットワークにメッセージを出すことで、じゃ今度こういうのをやってくれない? とか思わぬ小仕事が来ることもあります。
投資を始める
副業をする上で重要な考え方として、単に働くのは「自分」だけでなく、自分を含む「自分の持つリソース(資源)」をフルに活用していくことです。
たとえば何か自分の使っていない道具を売ったり、レンタルに出すことでマネタイズ(収益化)することもできます。
ちょっとひどい例ですが、ブログを書いたときに子供に読ませて、分かりにくい表記がないかチェックさせたり(おやつ代程度の駄賃を払っています)。
その中でポテンシャルの高いリソースは、自分のお金です。
つまり郵便局や銀行の口座で眠っているお金に起きてもらい、働いてもらう=投資を仕組み化していくことです。
もちろん、闇雲に何の知識や情報もなく、株とかFXに手を出しても損して資産を減らすか、含み損を抱えて暗い気持ちで生きることになります。
それなりに勉強も必要です。
ただし他の分野の勉強と違い、嘘や勘違いの情報が非常に多く、最初に誤った教科書を選ぶとお金が働いてくれるどころか、脱走してしまうことになります。
つまり、たくさん売買させて手数料を稼ぎたい証券会社、その関係者である経済アナリスト、紹介手数料を稼ぎたい投資サイト運営者、自分では取引していない(またはしているけど勝てない)評論家、たまたま運で勝った方法をあたかも普遍的な「必勝法」として売り出す投資家、その真似をして本当は勝っていないのに勝ったふりして本を出す「自称・億り人」などが、煽りの情報、誤った売買法、不十分なリスク管理の内容で情報発信しています。
お金が絡むと魑魅魍魎がたくさん出てくるので、そこからまともな情報を見つけるのは本当に大変です。
管理人は7年くらい悪戦苦闘して、時には大きな損を出したりしつつも、それ以降は負ける可能性を減らせるやり方を少しずつ確立してきました。
安全第一なやり方なので、家のローンと光熱費がまかなえる程度の利益ですが、痛い目に遭いつつも若いうちからこの分野に取り組んでいたお陰で、衣食住の一部がサポートできて助かっています。
副業を育てていく(まとめ)
こうして、自分のやりたいこと、やってみたいことに一歩ずつでもトライしていき、ネタを増やしていく。
そして、お金の流れ込んでくるパイプラインを1つ1つ開拓していく。
さらにパイプラインの数を増やしつつ、1つ1つのパイプを太くしていくことが副業の育て方です。
具体的にいえば、1万円の入ってくるパイプを 3本、5本、10本と増やしていくのと並行して、1万円×10本で10万円の細いパイプを、3万円×10本=30万円という太いパイプに育てていくということです。
あるいは2本とか3本でいいので、1つ1つのパイプから10万円、20万円と入ってくるように育てたり。
もし1つのパイプが40万、50万レベルの太さになったら、そこから起業することも視野に入ってきます。
まずは細くていいので、1本でも2本でもパイプを開拓、設置していくのがいいかと思います。
こちらからも労務や情報を提供して役立ったり喜ばれたりして、好循環が生まれてくると、パイプも太くなってきます。
せっかく忙しい合間を縫ってやるのですから、楽しいこと、やりがいがあることをするのが副業選びの大原則です。